May 15, 2023
現代ビジネスマンにとって、バーチャル化はますます進化しており、今後は人間とテクノロジーの協働がますます必要不可欠になっていくでしょう。近年では、ハイブリッドな働き方を求める人が増えており、企業もそのニーズに合わせて、労働力のサポートに注力しています。その中でも、特に注目されているのがオーグメンテッド・ワーキングです。この手法は、人間のスキルとテクノロジーを組み合わせることで、より多くの作業をより効率的、正確かつ迅速に行うことができます。
AIが示すオーグメンテッド・ワーキングの威力
AIについては、何十年も前から多くのことが語られてきましたが、現在では実用化も進み、様々な分野で従来の作業にプラスの影響を与えています。AIの威力は、特に事務作業において顕著です。以下に、AIが従来の事務作業にもたらすメリットの一例をご紹介します。
デジタルメールや資料にOCR（光学式文字認識）を適用
デジタルメールや文書をスキャンするシステムでは、AIとOCR（光学式文字認識）を活用して、文書の自動分類や自動抽出が行われています。例えば、住宅ローンの貸し手や保険会社では、毎月数百万件の顧客文書を処理する必要があります。デジタルメールシステムに内蔵されたAIは、文書がスキャンされると特定の単語やコードを識別し、その文書がどのカテゴリーに分類されるべきかを自動的に判断します。また、銀行では、明細書に記載された口座番号から、その明細書が住宅ローン、個人ローン、普通預金のいずれであるかを特定し、適切な部署に郵便物を配布することができます。これにより、従業員の手作業による分類作業が不要になり、時間とコストの削減に繋がります。
また、保険会社では、保険金請求番号から自動車保険、火災保険、生命保険のどれかを自動で識別することができます。AIが識別できないものはタグ付けされ、人間が手動で処理します。しかし、AIシステムは時間とともに学習を続け、文書の書式やレイアウトの変更、迷惑メールに対しても、エンドユーザーの指示に従って分類する方法を学習します。さらに、AIは文書全体をチェックし、特定の単語や専門用語をピックアップして分類することもできます。
確かに、文書やメールを正確に分類するAIを構築しプログラミングするには、相当な労力とメンテナンスが必要です。しかしながら、その本来の目的は、広範な網を張ることにより、データ入力と手作業の手間を削減し、処理を迅速化することにあります。AIは、適切な方法で使用することで、人間にはできないような大量のデータ、文書、郵便物の処理を行うことができ、ビジネスプロセスの最適化に貢献することができます。
AIを活用し、ワークフローと生産性を改善
一部の大手銀行や法律事務所では、バンカーや弁護士、アソシエイトの日々のサポート業務を効率化するために、「自動受付」機能を導入しています。この機能は、AIを利用して、メールでの依頼から始まるリクエストの一連の流れを管理し、作業の分担から完了までをサポートし、効率を向上させています。
このプロセスは非常にシンプルです。まず、依頼者はメールでリクエストを送信します。次に、ワークフローツールに組み込まれたボットが、メールの内容から必要な情報を収集し、自動的に依頼フォームを作成します。その後、ボットは依頼内容に応じて、作業を担当するサポートチームを特定し、指示を送信します。キュー管理ロボットを使うと、タスクの所要時間を推定し、必要なスキルを持つチームメンバーに業務を割り当てることができます。サポートチームの責任者は、ボットが提案した業務の割り当てを承認または拒否し、必要に応じて担当者を変更することができます。このように、AIとロボットを使用することで、チームのリソース管理、リクエストの完了時間の見積もり、パフォーマンスの測定が容易になります。さらに、リアルタイムのデータを活用することで、チームの稼働率、難易度が高いリクエストの処理に必要なトレーニングの実施など、迅速かつ正確な判断が可能になります。ボットも、チームとプロセスの進化に合わせて進化し、より効率的に業務をこなすことができます。
確かに、グローバル企業にとって、異なるタイムゾーンに拠点を持つことは利点がありますが、同時に課題もあります。時間差により、チームメンバーが同時に働けないことがあり、作業に遅れが生じたり、コミュニケーションが滞ったりすることがあります。しかし、AIとロボットを活用することで、タイムゾーンの問題を解決することができます。ボットがタイムゾーンに応じて業務を振り分け、チームメンバーが異なる時間帯に作業できるようにすることで、業務のスピードと効率が向上します。このように、AIとロボットを活用することで、グローバル企業がより効率的で協力的な環境を実現し、真にグローバルなビジネスを展開することができます。
AIはすでに働き方に大きなインパクトを与えている
オーグメンテッド・ワーキングは、人間と機械学習技術が協働することで、業務プロセスを最適化し、生産性や効率性を向上させることを目的としています。上記の例では、AIやロボットが日々の業務を自動化することで、人間の負担を軽減し、より高度な業務に集中することができます。
手作業で行う業務には遅れや非効率が生じます。そして、横の連携がないサイロ化したチーム体制では、稼働率にばらつきが生じやすくなります。こうした課題を解決するために、オーグメンテッド・ワーキングのコンセプトを適用することが大切です。それにより、時間とコストを大幅に削減することができます。
従業員は、繰り返しの多い時間のかかる作業に費やす時間を減らし、自分のスキルセットを開発するための時間を増やすことができます。今日の世界において、金融や法律、プロフェッショナルサービス企業が成功するためには、自動化や機械学習、人工知能が必要不可欠な存在となっています。その理由は、こうした技術が効率化や生産性の向上につながり、ビジネスを成功に導くために欠かせないからです。
未来のワークプレイス、ハイブリッドな働き方に対応するテクノロジーの構築に関するWilliams Leaの最新レポートはこちらからダウンロードできます。
