グローバル大手法律事務所
目指したゴール
世界規模で展開するある名門法律事務所は、ハイブリッドワーク(在宅勤務と出社の併用)が新たなスタンダードとなる中、弁護士をはじめとする実務チームに対して、いかに一貫して効果的なサポートを提供すべきかという課題に直面していました。この大転換期において、当社の法務事務(リーガル・アドミニストレーション)チームが担う役割を含め、事務所全体のバックオフィス支援モデルを抜本的に再構築する必要性に迫られていました。
働き方の多様化は、サポート業務のあり方に新たな変革を要求していました。弁護士が場所を問わずに、常に高品質かつ均一なサポートを受けられる環境の構築が不可欠だったためです。また、同事務所は最新のITインフラ投資に踏み切ったばかりであり、新システムに最適化した形で「支援プロセスを一から再設計(業務リエンジニアリング)」するため、当社の専門的な知見を必要としていました。
同事務所は当社をパートナーに選び、法務事務サポートの抜本的な変革に着手しました。具体的な目的は以下の通りです。
- 支援品質の均一化とスピード向上: 弁護士が働く場所や時間帯に左右されない、確実なバックアップ体制の確立
- 新ITインフラへの最適化: 新しいIT環境のポテンシャルを最大限に引き出す、業務プロセスの再設計
- 事務組織の再編と効率化: 各人員の役割・責任・業務範囲を明確にし、他部門との引継ぎを円滑化することで、縦割り感を排した高効率な組織へ刷新
- 品質管理(ガバナンス)体制の構築: サービスのばらつき(属人化)を排除し、継続的な業務改善を促す厳格な評価仕組みの導入
業務プロセスの抜本的な刷新
新しいITインフラの一環として、進捗管理・分析システム「ENGAGE」を導入したほか、当社独自の業務改善手法と「新たな一連の就業基準(Ways of Working)」を導入。これが、新体制となった法務事務サービスを支える強固な基盤となりました。
まず着手したのが、包括的な「標準作業手順書(SOP)」の策定です。これにより、すべての法務事務タスクにおける標準的な手順と品質基準を明確に定義し、業務の標準化を推進しました。
さらに、サービス上の課題(ミスや遅延)を漏らさずキャッチし、継続的な業務改善につなげるため、「根本原因分析(RCA)」の仕組みを導入。この分析から得られたデータをもとに、実践的な研修プログラムと「スキル管理システム(スキルバンク)」を構築し、現場のニーズに合わせた人員配置とスキルアップを組織的に行える環境を整えました。
また、法務事務チームへ新たな業務を追加する際の「受付・審査(トリアージ)窓口」を開設。これにより、追加の要望が出た際にも、当社と同事務所の双方が事前に業務負荷や影響度を正しく評価した上で、適切なリソース配置と承認ができるガバナンス体制を構築しました。あわせて、業務のムダを徹底的に省く「リーン手法(業務スリム化手法)」を用いた定期見直しを実施し、時間のかかっている既存作業を洗い出して、先手先手で効率化を進めました。
業務の安定化がもたらした、確かな成果
基盤となる日常業務がスムーズかつ確実に回るようになったことで、同事務所はさらなるサービス向上やコア業務への注力に、確固たる自信を持って取り組めるようになりました。
この変革を通じて、事務所全体におけるサポート品質のばらつき(属人化)が完全に解消され、業務のスリム化とコストの最適化が実現。結果として、実際にサービスを利用する弁護士らの組織満足度を大幅に引き上げることに成功しました。